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アパタイトとは
アパタイトは燐灰石とも呼ばれ、組成の違いによっていくつかの種類があります。
この中で、1価の陰イオンとして水酸基を主に含むものをヒドロキシアパタイト
(別名:ハイドロキシアパタイト)と呼びます。(化学式Ca10 (PO4)6(OH)2)
ヒドロキシアパタイトとは
ヒドロキシアパタイトは、脊椎動物の骨や歯といった硬組織の主要な構成成分で
骨の約65%、人の歯のエナメル質の約95%を占めます。イオン交換作用を利用
した有害物質の吸着材や、生態親和性が極めて良いことから近年、人工骨や人工
歯根用の材料としても注目されています。また、アパタイトは安全性が高いため
カルシウムの補給や口臭予防、歯垢の除去を目的に歯磨き粉などとしても使用されています。
歯の断面図とその構造→
ヒドロキシアパタイト-TSとは
ヒドロキシアパタイト-TSは、安心・安全を重視し天然ホタテ貝殻を原料としています。
このホタテ貝殻を独自の技術によって加工し、アパタイトの生産を行っております。
ホタテ貝殻以外の原料についても、食品添加物の基準をクリアしたもののみ使用しています。
原料となるホタテ貝殻
ヒドロキシアパタイト粉末
アパタイトの特徴
1.イオン交換作用を利用した有害物質の吸着
ヒドロキシアパタイトは、優れたイオン交換性を有しています。化学式(化学式Ca10 (PO4)6(OH)2)
で示されていますが、Caはカルシウムイオン、PO4はリン酸イオンOHは水酸化物イオンのことを示しています。
これらのイオンは、有害な重金属イオンなどと容易にイオン交換し、有害物質を吸着・除去する性質を持っています。
2.悪臭の原因物質の吸着
※1
悪臭の原因物質であるアンモニアやトリメチルアミン、n-酪酸やn-吉草酸といった低級脂肪酸などを
吸着する効果が確認されています。建築材料として、壁材への使用、繊維と併せることで体臭対策の
衣類などにも応用が期待されています。
3.歯の再石灰化や欠損部の修復
※2
歯の無機物部分の多くはヒドロキシアパタイトであり、う蝕(虫歯)はエナメル質から脱灰が起きること
によって生じます。ヒドロキシアパタイトは、このような脱灰による初期虫歯の再石灰化や歯の表面に
できたミクロな傷を修復する作用があります。また、タンパク質や糖などへの吸着能が高いため、歯垢
の吸着除去にも優れています。これを利用した高機能歯磨き剤としても活用されています。
4.脂質及び過酸化脂質の吸着
※3
アパタイトは他の無機材料に比べ、過酸化脂質の吸着に非常に優れていると言われています。
この機能を利用して、余分な皮脂や老廃物の吸着除去を目的とした化粧品などに活用されています。
5.高機能材の原料として
※4,5
ヒドロキシアパタイトにチタンイオンを導入したチタンアパタイトと呼ばれる高機能材料は
優れた吸着性によりほとんどの菌を吸着し、その表面に吸着したほとんどの菌を分解することが
できるとされています。
参考文献
※1 鈴木ら全国環境研会誌,Vol.41, 2, p.21-26 (2016).
※2大橋ら口腔衛生学会雑誌,Vol.41,p.214-223 (1991).
※3 青木『驚異 の生体物質アパタイト』,医歯薬出版株式会社(1999)
※4 富士通株式会社金属修飾アパタイト及びその製造方法.特開2000-327315 号. 2000-11- 28
※5 FUJITSU HP:「吸着力に優れた光触媒」https://www.fujitsu.com/downloads/JP/archive/imgjp/jip/category1/seeds101.pdf
アパタイトの使用事例
歯磨き粉
石鹸
分離剤
排ガス
フィルター
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